タトゥーや刺青を入れることで、感染症のリスクや皮膚炎の影響があるだけではなく、特定の病気の疑いがかかったときに必要な検査を受けることができないリスクを負う可能性があります。
ここではタトゥーや刺青による健康のリスクについてご紹介します。
タトゥーや刺青が及ぼすMRI検査への影響とは?
タトゥーや刺青を入れている人は、脳や腹部、脊椎などの検査に用いられるMRI(磁気共鳴画像)検査を受けられない可能性があります。
MRI検査とはどのようなものか?
MRI検査とは、磁場を用いて体内の撮影を行う検査で、体を輪切りにしたような断面像を作成します。CT検査と比較して脳梗塞の早期発見や子宮や卵巣、前立腺などの病巣の発見に優れています。
タトゥーや刺青が検査に及ぼす影響
タトゥーや刺青を入れているとインクに含まれる金属が磁場を乱すことで正確な画像を得ることができないことがあります。ただし、タトゥーや刺青のある部位と検査を受ける範囲が離れていたりする場合には、検査を受けられる場合もあるので、まずは検査前に担当の医師や医療従事者に確認することが大切です。
MRI検査を受けるには?
医療機関によっては、MRI検査で思うような結果が得られないことがあるということや、リスクを伝えた上で、同意書への署名を求めてから実施することもあります。
血液の付着に注意! 感染症の恐れ
タトゥーや刺青を入れる際には針を使用するので、血液を媒体とした肝炎やHIVに感染する恐れがあります。
HIVとは
体内にある免疫に大切な細胞を次々と破壊してしまうHIVは、感染すると徐々に免疫力が低下し、さまざまな病気にかかってしまいます。使い回しなど針によるHIVの血液感染率は0.1~0.4%と言われており、数値的には決して高くはありませんが、早期段階において治療を行わないとエイズの発症に繋がります。
C型肝炎とは
C型肝炎ウィルスの感染により起こる肝臓の病気で、患者のうち約70%が持続感染者となり、肝硬変や肝がんに進行する場合があります。
使い回しなど針によって感染する確率が高いと言われています。
B型肝炎とは
血液や体液で感染しますが、少量の血液でも感染する恐れのある病気です。感染後は急性肝炎を起こし黄疸や嘔気嘔吐、発熱などの症状が出て、時間の経過とともに肝硬変や肝がんに進行することもあるので注意が必要です。使い回しなど針によるB型肝炎の血液感染率も高くなっています。
インクに有害物質? タトゥーや刺青による健康被害
タトゥーや刺青で使われるインクには有害な金属を含んでいるものもあり、体への影響も懸念されています。皮膚からの影響だけではなく、施術中に揮発したインクを吸い込んでしまうことによる危険性もあることが分かります。
代表的なリスクを挙げただけでもタトゥーや刺青にはさまざまな健康上のリスクがあることをお分かりいただけたかと思います。タトゥーの施術を行う際には、上記のことを充分に理解した上で行う必要があります。