近年、ファッションの一部として若者世代に人気が高まっているタトゥーや刺青ですが、一度入れてしまうと消えないという理由から、施術後に後悔する人も多いようです。
ここでは、タトゥーや刺青の仕組みと消えない理由をご紹介します。
文化からファッションへ! 日本におけるタトゥーと刺青
針で皮膚を傷つけ塗料を埋め込むタトゥーや刺青は、文化やファッションの一部として、さまざまな国で発展してきました。日本においては、遠く昔に罪を犯した人に刺青を入れるという風習がありましたが、江戸時代の中期には、火消し(現代における消防士)や飛脚(同、輸送業者)などの特定の職業に従事する人たちの間で刺青を入れる文化が始まりました。
そして、1990年代後半以降で、タトゥーという呼び方で若者世代を中心に刺青を入れることが流行し、ファッションとしての刺青が定着しつつありますが、タトゥーも刺青も一度入れてしまうと自然に消えることはありません。
色を入れる深さが重要! タトゥーと刺青の仕組み
タトゥーや刺青は皮膚に色を入れることで、絵柄や文字を描きますが、このときに重要なのが、色を入れる深さとなります。皮膚は、体の外側から「表皮」、「真皮」に分かれています。タトゥーや刺青はこの真皮部分に届くように針で皮膚を傷つけ、墨汁や皮膚に沈着しやすいカラーインクを傷の中に埋め込んでいきます。
もし、このときに真皮ではなく表皮にしか色が入らなかった場合は、時間の経過と共に、タトゥーや刺青が消えてしまいます。
どうして!? タトゥーや刺青が消えない理由
タトゥーや刺青は皮膚の真皮に施します。これは、時間の経過と共にタトゥーや刺青が消えてしまわないようにする工夫でもあります。皮膚は古くなると垢となって剥がれ落ちますが、これは肌のターンオーバーによって起こるものです。ターンオーバーとは表皮には起こりますが、真皮には起こりません。
タトゥーや刺青は真皮に墨汁やカラーインクを入れるため、ターンオーバーの影響をほとんど受けないため、タトゥーや刺青は消えることがないのです。
タトゥーや刺青は、現在はクリニックで除去することもできます。クリニックではレーザーを当てたり、皮膚を伸ばしてタトゥーや刺青が見えなくなるように縫い合わせたり、切除したりする方法で、限りなく元の肌の状態に戻すことができます。しかし、基本的にタトゥーや刺青は一生残るもの。ファッション感覚で入れることを避け、将来のことをよく考えることが大切です。